なつかしき 
地球はいずこ
いまははや
ふせど仰げど
ありかもわかず

しろがねの
 月にむかえへば
わがまなこ
雲なきそらに
雲をうたがふ

うどの花
ひたすらに噛む
甲虫の
翅にうつりて
飛ぶちぎれ雲

阿片光
さびしくこむる
たそがれの
むねにゆらげる
青き草むら

縮まれる
肺いっぱいに
いきすれば
空にさびしき
雲もうかべり

鉛筆の
こなによごれて
ひびいれる
白きペンキを
風邪がふくなり

ニッケルの
雲のましたにいらだちて
しらしら燃ゆる
アーク燈あり

入相の
町のうしろを
巨なるなめくじの
銀の足が
這ひ行く

秋風の
あたまの奥に
ちさき骨
くだけたるらん
音のありけり

七つ森
青鉛筆を
投げやれば
にはかに機嫌を
直してわらへり

電信ばしらの
乱立と
ベンベロ取りを行がないが
あしたやすみだべ


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