平安京見聞録
平安京は、794年に桓武天皇により建てられた首都である。
現在の京都府京都市中心部にあたる東西4.5km、南北5.2kmの長方形に区画された計画都市である。
だが、碁盤の目のように東西に伸びる道には、犬猫の死骸や人の死骸までほったらかしの不衛生な都市であった。
道の両側の側溝には垂れ流しの糞尿が流れ、道端には牛車の牛の糞がそここに放置されたままで清掃するものもいない。
朱の柱と白壁に囲まれた町の中心部には人が住んでいたが、周りの隅っこの住居はまるで映画のカキワリのような形だけの無人の家だった。

男たち3人は、海沿いの村から海産物を献上にやってきた。
「しっかし、見た目は綺麗だが、えらい汚ねえ町だな!」
「仏さんは道にほったらかしだし・・・」
「とにかく臭ぇ!」

なんだかんだ言いながら、3人はある貴族のお屋敷の門をくぐった。
「おらの村の干物と昆布ですだ!」
頭を下げながら3人は、お屋敷の主に言った。
「大儀であった」
主は、所々剥げている真っ白な顔ををニヤッと笑い言った。
貴族の白粉は鉛で出来ているので、鉛で炎症をおこしているのだ。

男たちは背中に背負っている献上物をヨッコラと下ろした。
干物と昆布の良い匂いが漂っている。

「まあ、美味しそうな匂いですこと!」
主の奥方が、皮膚病の疥癬でまだらの顔をに微笑を浮かべた。
黒々と長い髪のあちこちに、シラミの卵が産み付けてある。
十二単の着物は排便時に汚れた糞尿のシミが、そここについている。
めったに風呂に入らないのであろう、嫌な臭いの体臭は強いお香の匂いでも隠せない。

「なんか、オレはきそう・・・」
「おれも・・・」
男たちは我慢していた。

男たちは平安京からの帰り道、やっと晴れた気分になった。
「俺たちは、毎日川で水浴びするし、着物も洗ってる」
「海の幸で、毎日ごちそうだしな」
「仏さんがいたら必ず供養するべ」
「貴族でなくってよかったなぁ!」
へらへら笑いながら、3人は村へ帰っていった。

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