ヒコヒコワキワキの彼方


ワチシ(私)は、朝からヒコヒコワキワキしたくてしょうがなかった。
どうしてもヒコヒコワキワキが治らないので、いきつけの皮膚科の女医のところへ行った。

ワチシ「どうしても、ヒコヒコワキワキが治まらないのでし、治してくらはい」
女医「ヒコヒコワキワキのシリツ(手術)は、厚生省の許可がいります」
ワチシ「そこをなんとかお願いします、シリツしてくらはい」
女医「ヒコヒコワキワキ・シリツは、保険がききませんよ」
ワチシ「どーしてもヒコヒコワキワキしたいのれす」
女医「仕方ないですね・・」
と言うと、いきなり白衣を脱ぎ、ヒコヒコワキワキし始めた。
ワチシ「な、なんて素晴しいヒコヒコワキワキなんらぁ・・・」
そう叫ぶと、ワチシも一緒にヒコヒコワキワキした。
ヒコヒコワキワキしていると、心の奥底からシアワセな気分になる。

裸のワチシと女医は、ヒコヒコワキワキしながら、砂丘の中を一心不乱にヒコヒコワキワキしながら歩いていく。
砂丘の単線の線路の上を、汽車がヒコヒコワキワキ叫びながら走っていった。
しばらくヒコヒコワキワキしていると、虹色の芋虫がズロースを履きながらヒコヒコワキワキしている。
妙に腹立たしくなったワチシは、その芋虫をプチッと潰した。
グチョッと虹色の体液がワチシの足や顔に飛び散り、ヒコヒコワキワキ感が異常に盛り上がっていった。

ふと気がつくと、ワチシと女医の周りには、何百人という人々がヒコヒコワキワキしている。
「今日の夕焼けは、ヒコヒコワキワキだね」
「そう、とってもヒコヒコワキワキさっ!」
町中ヒコヒコワキワキな気分で、シアワセ・オーラで充満している。

全裸の女医は、近寄ってきた男たちとヒコヒコワキワキしながら、砂丘の果てに消えていってしまった。
ヒコヒコワキワキが止まらないワチシは、しょうがないので、このままヒコヒコワキワキしながら歩き続けることにしした。

しばらく歩き続けると「ゴルゴ・松本ヶ丘」に、十字架に貼り付けら得た男が復活しかけていた。
ウンウン呻きながら、今にも息を吹き返しそうな状態だった。

ワチシ「こんなにヒコヒコワキワキした気分なのに、なんでお前は苦しそうなのら?」
十字架男「世界の人々を救うためさ」
ワチシ「なんで、あんたが世界を救うのさ、アッチョンプリケ(なんでピノコ?)」
十字架男「俺が選ばれた救世主だからだ」
ワチシ「そりは、自分がそう思っただけのだべし大須ういろう」
十字架男「俺は世界を救うために選ばれた人間だ」
ワチシ「あんたは、全世界の苦悩を自分の肩に背負ってると勘違いしてる大間抜けだ象・パオ〜〜ン!」
ワチシ「誰もあんたなんかに救われたくないのだぴょんぴょん兎がぴょん」

ワチシはヒコヒコワキワキしたシアワセな気分で、近くにあった拳大の石を取って、両手両足の楔を思いっきり打ちつてやった。
「ギャー!」と叫び声を上げたが、まだ息をしていたので、額の上の茨の冠を力いっぱい頭の皮に食い込ませてやった。
男には、もはや叫び声を上げる気力も失せ、額からは茨の棘が骨まで刺さり、ダラダラと鮮血を流した。
ワチシは、なんだか気の毒な気分になって、手に持った石で思いっきりその男の頭を打ちのめした。
ガスッと鈍い音を立てながら、男の頭が割れ中から脳味噌がドロリと流れ落ちた。
その脳味噌を舐めてみたら、ビターチョコレートの味がした。
ワチシは「いいことをしたな」と思いながら、十字架の男の復活を阻止したことを誇りに思ったのであった。

よけいなことに時間を食ってしまったワチシは、なをもヒコヒコワキワキしながら、歩きはじめた。
なんだかさっきから人肉が焼けたような、良い臭いが漂ってくる。
その臭いと共に、叫び声や苦しみあえぎ声が、微かに聞こえてくる。
しばらく行くと、そこのには原爆で焼け爛れ瓦礫と化した、町と人が阿鼻叫喚の風情で佇んでいた。
ワチシは怯む事無くヒコヒコワキワキしながら、その阿鼻叫喚の町を歩いていく。
ヒコヒコワキワキ・・ああ、なんてシアワセなんだ・・・ヒコヒコワキワキ・・・
ヒコヒコワキワキする傍らの人々は、片腕や片腕のない男や、目玉が飛び出て眼球をブラブラさせている女が、ヒコヒコワキワキもしないでじっとしている。

ワチシ「だめじゃん!みんなヒコヒコワキワキしなとシアワセになれないよカラムーチョ!」
ワチシ「さぁ、みんなもヒコヒコワキワキしようぜっカッパエビセン!」
ワチシは声を大にして叫んだ。
すると、今まで苦痛に喘いでいた人々が、立ち上がりユックリとヒコヒコワキワキし始めたのだった。
ある人は、両足のないままヒコヒコワキワキしている。
ある女は、首が半分もげた半死半生状態でヒコヒコワキワキしている。
ある男は、首のままヒコヒコワキワキしている。
ワチシ「みんな、首がなくても胴体がなくても、ヒコヒコワキワキすればシアワセになれるゾンビ!」
ヒコヒコワキワキした世界は、焼け爛れ腐乱臭が充満していていても、すぐにシアワセになってしまうのだった。
その阿鼻叫喚の町は、一瞬にしてヒコヒコワキワキしたシアワセの町になっていった。

「また良い事をしてしまった・・」そう感慨にふけりながら、ワチシはヒコヒコワキワキしながら旅を続けてみた。
しばらく行くと、菩提樹の木下に黄色の便所衣を纏い、結跏趺坐しながらじっと動かない痩せこけた男がいた。
ワチシは近づいてみたが、男はじっとして動こうともしない。
ワチシは、近くにあった木の枝をポキリと折って、その枝で男とツンツクツクツク突いてみた。

男は薄っすらと目を開き言った「何のようだ?」
ワチシ「特に何の用もないのだわさび」
菩提樹男「用がないのなら、立ち去れ!」
ワチシ「こんな所にじっと座っていて、なにか意味があるのであリンスシャンプー」
菩提樹男「悟りを開くためだ」
ワチシ「意味あんあんのんのん?」
菩提樹男「世界の人々を、苦界から救うためである」
ワチシ「誰も、そんなこと頼んでませんよろしく哀愁」
菩提樹男「悟りを開き開眼すれば、人々を救えるのだ」
ワチシ「だから、誰もそんなこと望んでないっ手羽先」
ワチシ「そんな場所でじっとしていても死んでると同じ無意味ヨンサマ、それよりヒコヒコワキワキしませう!」

そう言いながら、ワチシはヒコヒコワキワキしたのだった。
また自称救世主のキチガイが、ここにも居たのだった。
誰も頼まないのに、人々のシアワセを壊し、世界を混乱に貶める「救世主」という名前の誇大妄想お調子者。
菩提樹男は、ワチシを無視して、また目を瞑り偽善的瞑想に入っていった。
ワチシはむかついて、男の顔に放屁をかましたやった。
ぶぶぶうぅ・・・・臭い臭い屁が男の鼻を劈いていく。
そして、男が少し怯んだ隙に、男の股間を思いっきり蹴った。
ブチュッ・・と情け無い鈍い音をさせながら、男のタマタマが2個潰れた。
ウギャァァァ!断末魔のような叫び声を上げ、男はのた打ち回っている。
あんまり可哀想なので、ワチシは男の黄色い便所衣に火をつけた。
ぼうっと音をたてながら、男はみるみる炎に包まれていった。
こんがり焼けた菩提樹男の肉は、玉子ボーロの味だった。
人肉の燃える良い匂いが辺りに漂い、ワチシはまたまたシアワセな気分になり、思いっきりヒコヒコワキワキしてしまった。

菩提樹男を焼死させ、ワチシはまたまた人類を災いから救ってしまった。
そんな爽快な気分のまま、しばし歩いていくと、大勢の女たちがステージの上で、派手な衣装を身に纏、踊っている。

♪♪餡奴隷〜〜〜〜〜!!♪♪
♪♪雄狩る〜〜〜〜!♪♪
ララララ〜〜〜愛の接吻を〜〜〜〜〜♪♪
男の衣装の女や、キンキラの衣装の女が、恥ずかしげもなく踊っている。
ワチシは、いっしょにヒコヒコワキワキしながら、そのステージの上に上がった。

ワチシ「乙女たちと、全裸になってヒコヒコワキワキいたしませう!」
そう叫んだ瞬間、乙女たちは全裸になりヒコヒコワキワキし始めた。

♪♪嗚呼〜〜〜愛のヒコヒコワキワキ〜〜〜♪♪♪
♪♪素晴しき〜〜〜ヒコヒコワキワキ〜〜〜♪♪♪
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

町中の人が、ヒコヒコワキワキしてシアワセになり、ワチシもシアワセになった。

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